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第5回放送 地域がひとつになった、加茂名つながり美術展

出演:加茂名中学 仁宇暁子先生と美術部の皆さま

 「加茂名つながり美術展」とは、加茂名中学校の美術部顧問の仁宇暁子先生と、美術部員が地域の人たちといっしょになって、毎年、開催している珍しい美術展です。

この美術展がスタートしたのは2008年のこと。それまではごく普通の中学校の美術部として、年間を通してさまざまなコンクールの出展を目的に活動していました。しかしながら全国規模のコンクールには多くの規制があり、創造力豊かな部員たちはその枠からはみ出した作品を完成させて、仁宇先生や周囲を驚かせることもが頻繁にあったと言います。関係者が協議した結果、加茂名中学校独自で展覧会を開催することになりました。第一回目は生徒たちとその保護者など学校関係者だけの作品を集めた小さな展覧会でしたが、その会場で思いもよらない出会いがありました。

部員たちの自由な感性や発想が表現された作品をいろんな人に見てもらえたら…。そんな思いから4年前に始まった展覧会でしたが,会を重なる度に作品を通して地域の輪はどんどん広がっていきました。昨年12月にアスティとくしまで開催された第4回加茂名つながり美術展では、美術部員の力作はもちろんのこと、加茂名地区の保育所、幼稚園、小学校や地域住民などから絵画や写真、陶芸作品など約400点が出展されました。

展覧会には地域の人をはじめ多くの人が来場し、幼稚園見のかわいい作品を前に微笑む人、孫の描いた自分の自画像を感慨深げに見上げるおじいちゃん。そこは訪れる人の感性を刺激してくれる芸術の場でありながら、昭和の頃、ご近所で良く目にした懐かしい井戸端会議の風景にも似ていたと仁宇先生は振り返ります。部員にとって1年に1度の展覧会は大きなイベントであると同時に、作品を通して地域の一員で、あることを改めて確認する場所、そして地域になんらかのかたちで貢献しているという実感を持てる機会と なっているようです。これから高校、大学、社会へと進む部員たち。たとえ彼らかこの地域を離れたとしても、加茂名つながり展覧会がある限り、彼らはためらうことなくここに帰ってくることでしょう。

なぜならばそこには、かならず地域の人と人を結ぶ心のきずながあることを知っているから。