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第6回放送 心をつなぐ100本の名のある、しだれ桜

出演:新池川をきれいにする会 代表 乾肇さん

 乾さんが活動している新池川とは、鳴門市大津町の大代谷川から分流し、鳴門中心街を流れて、下流と なる撫美川に流れ込む川です。川沿いにはサイクリングロードや散策道が整備されているものの、近年で は生活排水などによって汚染され、一時期は徳島県下で一番汚い川といわれていました。そんな不名誉 な呼ぱれ方に耐えられずに立ち上がったのが、幼い頃からこの川で遊び、親しんできた乾肇さんでした。

平成22年1月に準備委員会を立ち上げた乾さんが、川の水質を浄化させるために用いた秘密兵器が 「EMだんご」でした。EMとは有用微生物群のことで、これを団子状にしてヘドロの溜まった川に投げ入れ ることで、ヘドロの表面から徐々に発酵分解させて水を浄化させる効果があると言われています。そんなEM だんごを1回1万800個、1年間で3回新池川に投げ入れました。

そんな中、2年目に徳島県が植栽筏を設置することになり、新池川をきれいにする会をはじめとした地域 住民が、その植栽筏を管理することになりました。この植栽筏の設置によって、はじめて徳島県、鳴門市、地 域住民が手を結んで新池川を守っていくことになったのです。

また活動が3年目に入った頃、「大津漁業組合」の方から声がかかり、河川の景観のためにと100本のし だれ桜が寄贈されることになりました。

100本のしだれ桜を植樹したのは今年の2月5日。たくさんの応募者の中から選ばれた企業や一般の 人が、それぞれの名前を書いた名札を植樹した木にぶら下げました。こうしてはじめは自分が親しんできた 川を少しでもキレイにしたいという願いからスタートした会は、さまざまな人の理解と協力のおかげで、確実 に活動の輪を広げてきたようです

現在、新池川をきれいにする会のメンバーは約120人ですが、実際にはその家族や友人など、人数を把 握できないほど新池川を通してこころのきずなが生まれているようです。

2年後、3年後の春には、新池川の川面に優美なしだれ桜が映し出され、多くの人が桜の元に巣う光景 を夢見て、乾さんは今日も地道な活動を続けています。