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第8回放送 ふるさと再発見・観音道参道ウォーク

出演:観音道保存会役員 高田久司さん

 高田さんが活動している観音道保存会が結成されたのは2009年6月。古くから地元の人に利用されて きた上板町大山の大山寺(だいさんじ)と、和泉寺(わせんじ)を結ぶ参道が、近年になって通行人が激減 し、道が荒れ放題になっていることを残念に思っていた地元の人が立ち上がり、自分たちの手で整備を進め ることになりました。

この参道には江戸時代後期から建立されたと言われている観音像の石仏が約33体あると伝えられて いましたが、そのうちの28体を保存会の人だちと地域の人たちが一緒になって発見し、歴史的調査と復元 作業を行ってきました。

高田さんたちが調査を行う時は、山に詳しい地元の人や登山経験のある人に同行してもらい、GPSで正 確な位置を確認しながら歴史的調査や参道の整備などを行っています。山の自然と向き合う保存会の活 動は地道な作業の積み重ねであり、体力的にも厳しい時がありますが、そんなメンバーの楽しみになってい るのが、地元の人と山道を歩きながら昔話をする時です。

また2010年1月には、整備した道を多くの人に知ってもらうために、大山寺で毎年行われている恒例行 事「力もち大会」の日にあわせて「参道ウォーク」が開催されました。保存会の活動によって整備された観 音道には、当日、県内外から100人余りの人が集まり、久々に山は賑わいを取り戻しました。その後、「参道 ウォーク」は保存会が主催して、4月と11月の年2回開催されています。

今後は、まだ見つかっていない観音像を探しながら、地元の人との絆を深めていきたいと考えている高 田さん。どれだけ町が近代化し、暮らしが便利になろうとも、祖先から自分たちへ、そして未来の子どもたち へと伝えるために、保存会のメンバーは、今日も春の訪れを感じる山を歩き続けています。

まだ見ぬ観音像とこころのきずなを探しながら…。